家庭で賢く育てる 苅部世詩絵さん

子育てを大切にしたいママのために

ーどんな活動をしているか教えてください

一言で言うと、「賢く育てたいママのサポート」です。

今の時代、「賢く育てたい」と思ったときに、その情報を身近なママ同士で得るのって難しいと思うんですね。同じ学校や同じ塾だったら、あの子の方が成績がいい、と比較して、牽制し合ってしまうので。それをオンラインで解消するために、賢く育てたいママが集まるオンラインサロンを作っています。

また、私たちの世代って「三高」などと言われた時代ですが、いい学歴の旦那さんと結婚できたとしても、さて自分の子どもを賢く育てようと思ったら、結構なプレッシャーがあったりします。ちゃんと育てなきゃ、と思って苦しい思いをしているママを救いたい、と思って作ったのが、私のオリジナル講座です。

あと、日本の読解力は世界的に見て危機的状況なので、どこかで誰かが何とかしないと、と一端を担う気持ちでやっているのが、絵本紹介です。

ーなぜそういった活動をしようと思われましたか?

そもそも、私の母がベビーシッターをやっていたので、母親が働くということに抵抗がなく、自分もそうなるイメージを持っていたと思います。

自分自身のためにたくさん学びましたが、周りにも同じように困っている人がたくさんいたので、自分の口で伝えたいな、と思いました。

他にも素晴らしい先生方はたくさんいらっしゃいますが、その先生とは違う層のお母さんたちを救いたい、私が届ければいい、と思ったんです。似た思考の人が集まるので、私だからこそ届けられる人たちがいる、と思っています。

ー「賢く育てる」とは?

どんな時代でも生き抜く力があること、です。

「賢く」というのは、偏差値高く育てたい人を集めたいわけではなく、子育てに対してパワーをさける人、投資できる人を集めたいと思ってそのワードを付けています。子育てに努力できる人をターゲットにしているから、このネーミングです。偏差値を上げたい、と思っている人は「小学校受験」「中学受験」などを謳っている人のところへ行かれると思います。結果的に受験をして合格されている方ももちろんいらっしゃいますが、成績ありきではなくて、「子育てに時間やエネルギーを注ぎたい」と思っている人が集まっています。

「発信力」という強み

ー活躍の原動力ってなんですか?

ただただ、苦しいママたちを救いたい、という気持ちが一番の原動力です。私自身がすごく苦しかったですし、もっと苦しい思いをしている人もたくさんいるはずで、私はたくさん与えてもらったので、返すべきだとも思っています。

あと、発信力が他の人よりあるとも思うんですね。人より「伝える力」を磨いてきたつもりだし、今も磨きたいと思っているし、そこは自分の強みだと思っています。

ー思い描いていた形になっていますか?

そうですね。でも実は、そんなに何年も「思い描いていた」というわけでもないんですよ。結構思いつきで動いているところがあったりします。

もちろん、自分の中できっかけはあるんですよ。コロナで休校になって、お母さんたちがこのままでは大変だと思って、オンラインサロンを始めました。そして、大阪の女性の自殺率が跳ね上がったので、お母さんたちは講座で自分を見つめる時間が必要だな、と思って、1年ぶりに講座を再開しました。社会が変わると私のコンテンツも変わりますね。

ー社会を見てるんですね!

見ますね。日本がこのままいくとどうなるんだろう、と心配だし、もう少し上昇するような要素が欲しいな、と思っています。読解力だったり、教育だったりに関して。

ーそこで「私がやらないと」と思えるのはどうしてですか?

自己肯定感の高さじゃないでしょうか。起業って結局そこだと思うんですね。もっと専門的なことを発信できたり、講座の上手な人もいるとは思いますが、私は発信し続けることができるという強みがあるので、それをずっとやっていけばいい、と思っています。オンラインサロンでもっとたくさんの人を集めている人もいれば、企業と提携して活動している人もいますが、私の言葉がいい、と思ってくれる人がある一定数いるから、そこに向けて発信し続けていけばいい、と思っています。

子どもの自己肯定感は親で変わる

ー自己肯定感、もともと高いのですか?

そんなことないですよ。母親は割と認めてくれる人だったけど、父親は全然認めてくれなかったので、もともと自己肯定感は低い方でした。でも、子育てにしても起業にしても、自己肯定感が高くないと上手くいかないな、と感じて、高くするために毎日、自分でワークをした結果、アップしましたね。このワークは、私のオリジナル講座でも受講者さんにやっていただいて、とても喜んでいただいています。

ー家庭環境ってやっぱり大きいですね

そうですね。私の一番根底にあるのは、「日本の自殺者を減らしたい」ということなんです。と言うのも、私の祖父が自殺しているんです。父が厳しかったと言いましたが、それはきっと、祖父のこともあって祖母が父に厳しかったんじゃないか、という予想をしていて、それで父も子どもたちや自分自身にも厳しかったんじゃないかな、と。

私たちの世代は、(自殺がなかったとしても)厳しかった祖父母がいて、両親も厳しく育てられています。それをそのまま私たちも引き継ぐと、今後の子どもたちはすごく苦しいだろうなって思うんです。

ー親から子へ、子から孫へと引き継がれるんですね

変わるべきは子どもじゃなくて親なんです。私、うつと障がい者の方たちの就労支援の会社で働いていたのですが、そこで特に感じました。いくらうつの方が就労支援事業所へ来ていても、同居する親が負の言葉を浴びせている限り、明るい未来になるのは厳しいんですよ。でも、親は「子どもの問題だ」と思っているので、変える気がない訳です。もちろん子どもの問題もあるのですが、親も一緒に変わっていかないといけないのに、親にその気がない。だったら、私が親としてできることはなんだろう?ということでやっているのが、今の自分のパワーです。

せっかく賢く育てて、東大・京大から一流企業に就職しても、メンタルやられて就労支援事業所に来て、一人暮らししてたのに実家に戻ってきて、って、お父さんお母さんそういうことやりたかった訳じゃないですよね?ってすごく思ってました。

そこで自分の子育てを振り返ったとき、4時まで働いて、子どもを迎えに行って、慌ただしい子育てをしている自分を客観的に見たときに「ヤバいな、私」って思ったんですよね。そこで、「ちゃんと子育てを学ぼう」って思ったし、学んで、「私がこれだけ変われるんだからきっとみんな変われる」と思って、これは伝えた方がいいな、って今の活動に至りました。

やりたいことはまだまだたくさん

ー今、悩んでることはありますか?

時間が足りないですね。やりたいことがありすぎるんですよ。いい本をいっぱい知ってるので、それをもっとお伝えしたいんです。できれば1週間に10本くらいブログ記事を書きたいのに、現状1〜2本しか書けていません。いい講座もたくさん受けているので、そのレコメンドもしたいけど、時間がない。親子でこんないいところに出掛けたよ、というのも週1ペースで記事にできるネタはあるのですが、時間の問題でできていません。十分発信している、とは言われるのですが、もっとやりたいんですよね。やっぱり、まだまだ子育てにも時間が取られるので。

ーお子さんが成長すれば、ますますご活躍ですね

そうは言っても、まだ下の子が新小3です。小学校卒業まではある程度、手が掛かると思っているので、まだまだ先は長いです。下の子が小1になったら、と思っていたのですが、違いましたね。子どものタイプにもよるとは思いますが、求められるんです。素直でいい子なのですが、要求には応えようと思っているので、結構手が掛かりますね(笑)。

リアルの講座でエネルギーをもらいたい

ー今後、edu-salonにはどんな人に来て欲しいですか?

教育に関して学びたい、いい情報が得たい人。その中でも、一人に縛られず、いろんな人の情報を得たい人に来ていただければ、と思います。実際にedu-salonでは、毎月さまざまな先生方を承知して、それぞれの切り口で教育に関するお話しをしていただいています。「すべて〇〇先生のおっしゃる通りにやります!」というタイプの方は向いていないかもしれません。私自身が、いろんな先生のおっしゃることを少しずつ取り入れたいタイプなので、同じように欲張りな人の方が合うと思いますよ(笑)。

ー世詩絵さん自身はどうなっていきたいですか?

自分のペースを崩さずにやっていきたいですね。感謝してるからこそ、人の期待に応えたい、と睡眠時間を削ってまで頑張ってしまうタイプなんです。仕事が好きだから、本当はずっと仕事をしていたい。でも、それで体を壊したり、家族に影響が出たら本末転倒なので、そうならないよう、ペースを守ってその中で最大限やっていきたいですね。

ーこの先、新しくやりたいと思っていることはありますか?

コロナが落ち着いて、気兼ねなく移動ができるようになったら、地方へ行きたいです。オンラインの講座が一般的にはなりましたが、やっぱり対面でもらえるエネルギーに勝るものはない。大阪ではもちろん、全国のあちこちを訪れて、リアルの講座やお茶会をやりたいな、と考えています。

自分のためにお金を使いましょう

ー読んでくれている方へのメッセージをお願いします

ママは、もっと自分のためにお金を使いましょう!お金を稼いでいても、いなくても、です。 自分は専業主婦だから使っちゃダメ、と思っていませんか?実は私もかつてはそうでした。180円のコーヒーさえ、飲んじゃダメだと思っていたんです。もし、自由になるお金がないなら、やりくりすればいいんです。ささやかでもいいから、自分のためにお金を使いましょう。それが、自分を満たす第一歩です。ママの自己肯定感が上がれば、子どもの自己肯定感も自然と上がりますよ。

家庭で賢く育てる 苅部世詩絵さん プロフィール

苅部世詩絵 プロフ写真

もと予備校勤務。
これまで1,000組以上の親子の指導経験有。
中高国語、司書教育免許持ち、小2・4兄弟の母。

東大卒の主人との間に生まれた子を「ちゃんと育てなくちゃ」と毎日ガミガミ、自分はイライラ。
次男の産休後、精神障碍者の就労移行支援事業所スタッフとして勤務。
子育ては親子の信頼関係が大事だと気付き、退職。

その後、150人以上の講師から教育、子育て、心理学、脳科学等の講座を受講。
「学べば変わる、親も子も」を実感し、同じように悩むママ向けに講座を開講。
実践して効果のあったメソッドを伝える。参加したママはこれまで1,300名以上。

趣味は絵本。月に150冊以上読みます。
教材マニア、声かけスペシャリスト。
大阪、オンラインで活動中。

事業内容

賢く育てたいママのためのオンラインコミュニティ edu-salon

もっと教育について学びたい、教育に関心のあるママ達と繋がって自分をブラッシュアップしたい、という思いを持つ、「子どもを賢く育てたい」ママのためのオンラインサロンを主宰。現在なんと130名以上のメンバーがいます。

月に1回、テーマに沿った講座を受講し、家庭で実践してみた後、サロンメンバーと振り返りを行い、学びの定着と疑問の解消を図ります。「学びは同じ想いの人と一緒に継続するからこそ定着する」それをコンセプトに創り上げていくコミュニティーです。

苅部世詩絵 オリジナル講座

大阪 ・オンラインで「子どもを賢く育てたい!」と思うお母さん向けに元予備校勤務、中高国語、司書教諭免許持ちの私が、家庭で楽しく勉強できる方法をお伝えしています。

Mama café

石田勝紀先生 代表の一般社団法人 教育デザインラボ 認定ママカフェファシリテーターとして、カフェスタイル勉強会を全国で開催。ママが悩みを話せる場作りもしています。

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